Three Perfect Days:ウランバートル

博物館、修道院、市場。歴史や文化、芸術に浸る、モンゴルの3日間をお楽しみください。

ウランバートルの空中写真。

ウランバートルは、荒野の草原と現代の都市が交わる街です。写真提供:Eric Rubens

モンゴルの首都は、活気ある工業都市で、美味しい料理と奥深い歴史の魅力にあふれています。1年前に出産して以来、初めてのひとり旅として訪れた私は、72時間という慌ただしい日程にできる限りのプランを詰め込みました。そしてこの3日間で、草原に住む遊牧民の暮らしの体験から、都会の喧騒を楽しむことまで、ウランバートルの魅力を存分に満喫できたことを嬉しく思います。

バルコニーに座ってウランバートルの日の出を眺める女性がぼやけた状態で映っている。

1日目

MACU, Mongolian history, and black markets
馬に乗って、ゴルヒ テレルジ国立公園(Gorkhi-Terelj National Park)の川を渡る旅行客のグループを撮影した空中写真。

2日目

Monasteries, Chinggis Khan and Gorkhi Terelj National Park
テレルジ国立公園(Terelj Hills Park)の草原を馬に乗って歩く3人。

3日目

Horses, art, and music
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1日目

MACU、モンゴルの歴史、ブラックマーケット

バルコニーに座ってウランバートルの日の出を眺める女性がぼやけた状態で映っている。
ウランバートルの開けた空を眺めながら一日を始めましょう。写真提供:Eric Rubens

広大な山々に囲まれた都市、ウランバートルに広がる清々しい空の下で朝を迎えましょう。モンゴルでの初日は、Mongolian Artisanal Cheese Unionとしても知られるチーズ専門店MACUでの美味しい朝食から。

2019年にMichael Morrow氏がオープンしたMACUは、地元の遊牧民である酪農家が手作りしたチーズを紹介するお店です。その製品は、モンゴル人だけでなく海外からの移住者にも人気があります。広々とした店内で、赤と白のチェック柄のテーブルクロスがかけられた席に座り、フォームミルクたっぷりのカプチーノを注文しましょう。料理は、ヤクと羊のソーセージが付いたイングリッシュブレックファストや、野菜とナッツのような風味としっかりしたコクが特徴のホスタイゴーダチーズ入りのフレンチオムレツがおすすめです。

ペストリーのために少しお腹の余裕を残しておきましょう。焼きたてのシナモンロールは、レーズンが散りばめられ、スリランカ産シナモンの香りが広がる、甘さ控えめの絶品です。

豆知識:

MACUへの到着が朝食時間を過ぎていた場合でも、ランチやディナーのメニューが豊富に用意されています。メニューには、彼らの短編ドキュメンタリーで紹介されていたカルボナーラもあります。

朝食の後は、歩いて15分の距離にあるモンゴル国立博物館(National Museum of Mongolia)へ。この博物館では、モンゴルの歴史を数世紀にわたって学ぶことできます。1階は6世紀から7世紀の人類初期に見られる遺物の展示に始まり、階を上がるごとに、きれいに整理された展示物を次々と鑑賞し、時代をたどりながらモンゴル社会の進化を感じることができます。この国の初期の時代から、遊牧生活と文化に焦点を当てた歴史、ソビエトの影響を受けた社会主義時代を経て、現在のモンゴルの民主主義体制まで、絶えず変化してきたモンゴル社会の変遷をたどります。

モンゴルの歴史を学んだら、チョイジンラマ寺院博物館(Chojin Lama Temple)へ向かいます。喧騒としたウランバートルの中心地のオアシスであり、この街の崇高な精神世界を垣間見ることができます。

深紅色をしたチョイジンラマ寺院博物館(Chojin Lama Temple)の門。
チョイジンラマ寺院博物館(Chojin Lama Temple)を探索。写真提供:Eric Rubens

チョイジンラマ寺院博物館(Chojin Lama Temple)は、1904年に建てられ、小さな寺院から成り立っています。それぞれの寺院には、瞑想的な祈りやタントラなど、信仰を通じた生涯における独自の思想があり、神聖さを感じる仏教の遺物が多く残されています。冷たい地獄と熱い地獄が描写された中を歩いたり、精巧に作られたパピエマシェ(紙を粘土状にして成形する技法)の造形に五感を研ぎ澄ましたり。深呼吸をして、神聖な場所に立っていることを実感しましょう。

昼食は、チョイジンラマ寺院レストラン(Chojin Lama Temple Restaurant)で。地中海料理とモンゴル料理を融合させた豪華なレストランで、お肉好きの人も、ベジタリアンの人も、ペスカタリアン(肉類は食べないが魚介類は食べる菜食主義者)の人も、すべての人が美味しい料理を楽しめます。このレストランではステーキやボリュームたっぷりの前菜プレートが有名ですが、クリーミーなレンズ豆のスープが意外な人気メニューです。このスパイシーでクリーミーな温かいスープで、文化と歴史に触れた午前中の観光を締めくくります。

次はモンゴル都市部の中心地へ。同国最大の野外マーケット、ナラントール市場(Naraantuul Market)へ行ってみましょう。散策していたウランバートルの中心部から車で15分ほどの距離にあるナラントール市場(Naraantuul Market)は、さまざまな素材と色彩が混ざり合う万華鏡のような市場です。毛皮の帽子、馬具、山積みにされた餃子パック、骨董品の刀、伝統的な刺しゅうが施されたタペストリーなど、多種多様な品物が見つかります。少し混沌とした空間ではありますが、深く引き込まれる魅力があります。値引き交渉は必須です。多くの品物に目移りしている間に、良い意味で迷子になってしまいます。

観覧車やジェットコースターが見える、ナショナルアミューズメントパークの空中写真。
ナショナルアミューズメントパークには、観覧車やメリーランドといったアトラクションに加え、散策できる広大な公園もあります。写真提供:Eric Rubens

ここで、そろそろ静かな場所でひと息つきたくなってくる頃でしょう。ウランバートルの穏やかなセントラルパーク、ナショナルアミューズメントパークへ向かいます。市内でも数少ない開けた緑地スペースのひとつで、家族がピクニックを楽しんだり、犬が棒を追いかけて走り回ったり、子供たちが低い木々の間を駆け回って遊んだりできる場所です。ベンチに座って頭上ではためく凧を眺めたり、街並みを柔らかく照らす昼下がりの温かい日差しを感じたり、穏やかな時間を過ごせます。(もし、静かに過ごすよりも活動的に過ごしたい気分なら、隣接する遊園地で遊ぶこともできます。ジェットコースターやメリーゴーランド、その他子供向けのアトラクションが楽しめます)

日が暮れたら、Rosewood Kitchen + Enotecaへ。落ち着いた雰囲気ながらも上品なイタリア料理が楽しめます。手作りのパスタ、モンゴル産ラムの真空料理、トスカーナを感じさせるワインを堪能しましょう。Rosewoodでは、自然のままに育ったハーブやヤギのチーズ、そば粉といったモンゴルの食材を使用して地元の風味を基に、ヨーロッパのクラシック料理を提供しています。新鮮なパンをオリーブオイルとバルサミコ酢にディップして食べながら、上質な赤ワインを味わってください。食事でくつろぎつつ、多くのモンゴル人家族が夜の街を楽しむ様子を眺めることができます。

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2日目

寺院、チンギス・ハン、ゴルヒ・テレルジ国立公園

馬に乗って、ゴルヒ テレルジ国立公園(Gorkhi-Terelj National Park)の川を渡る旅行客のグループを撮影した空中写真。
ゴルヒ テレルジ国立公園(Gorkhi-Terelj National Park)でモンゴルの広大な草原を体感してください。写真提供:Eric Rubens

2日目は早起きして、キューバ出身のオーナーが営む居心地のよい人気カフェMillie’s Espressoで1日をスタートさせましょう。このカフェは赤道以北で一番美味しいと評判のドゥルセ・デ・レチェ(ミルクキャラメルクリームのような南米の伝統的なお菓子)が楽しめます。コーヒーの美味しさは格別で、パンケーキはふわふわ。どこか懐かしさを感じるアットホームな雰囲気のカフェです。

ここからレンタカーを借りて、ダシチョイリン寺院(Dashchoilin Monastery)まで行きます。昨日のチョイジンラマ寺院博物館(Chojin Lama Temple)とは異なり、ダシチョイリン寺院(Dashchoilin Monastery)は、今でも熱心な仏教徒たちが礼拝に訪れる場所です。伝統的な建築と高さ約9メートルの巨大な仏像を擁する未来的なガラス張りの建物が共存しており、このガラスの建物は3つある寺院のひとつとして機能しています。また、ウランバートルの宗教史において重要な存在であり、社会主義時代の宗教弾圧を経て仏教が復興した象徴でもあります。寺院に増築された現代的なエリアには、温かいコーヒーやお茶を楽しめるカフェバーがあり、地元の人々が集まって週末の予定を話し合っています。モンゴルの伝統的な揚げパンであるボールツォグ(boortsog)と、新鮮な乳製品のクリームウルム(urum)とともにぜひご賞味ください。また、ジンジャーティーをお持ち帰りして移動中に楽しむこともできます。

馬に乗ったチンギス・ハンを表現した、約40メートルの高さを誇る銀色の像の空中写真。
約40メートルの高さを誇るチンギス・ハンの像は、世界で最も高い騎馬像です。写真提供:Eric Rubens

お茶を飲みながら、ウランバートル中心部から車で約1時間のゴルヒ テレルジ国立公園(Gorkhi-Terelj National Park)へ向かいましょう。街の喧騒と高層ビル群は、カラフルな家々が点在する丘陵地へと変わり、やがて道端に放牧された家畜の姿が見えてきます。遠くに広がっていたなだらかな丘が、短くごつごつとした木々が点在する雄大な草原の山々へと姿を変える頃、旅は本格的に始まります。途中、チンギス・ハン騎馬像と複合施設で短い休憩を取ります。約40メートルの高さを誇る、馬に乗った偉大なハーンを表現した銀色の巨大な像が見られます。彼は東側をじっと見つめ、自身の帝国を見守っています。エレベーターに乗れば馬の頭部まで移動でき、馬のたてがみからモンゴルの素朴な自然を一望できるパノラマビューをご覧いただけます。

国立公園に入り、まずはテレルジ ヒルズ ロッジ(Terelj Hills Lodge)にチェックインします。このロッジは、ホテルスタイルの宿泊施設とモンゴルの遊牧民が使用する伝統的なゲル(ユルト:移動式住居)を提供しており、ゆっくりとくつろぐことができます。ゲルには薪ストーブとふかふかのベッドが備え付けられ、快適にお過ごしいただけます。実際に遊牧民が使用するゲルとは異なり、ここでは専用のトイレ、シャワー、暖房設備も備わっています。

ロッジで簡単な昼食を楽しみましょう。フレンドリーなスタッフと交流して、シンプルだけど美味しい食事(グリルしたラム肉と野菜、または皮をカリカリに焼いたローストチキンをイメージしてください)をお楽しみください。ただし、食べ過ぎにはご注意を。このあと、事前に予約した現地ガイドの案内で、近くに住む遊牧民の家族を訪問し、チーズ作りと餃子作りが待っています。

遊牧民のゲルに入るときは、まず右足から踏み入れ、低い木の梁に頭をぶつけないようにかがみ、入口の板を踏まないよう気をつけましょう。中に入ると、湯気の立つ塩味のミルクティーが振る舞われます。一口すすりながら会話を楽しみ、少し落ち着いたら、いよいよ餃子作りの体験が始まります。餃子の生地をこね、牛肉と羊肉を混ぜ合わせたものに香ばしい玉ねぎとニンニクで味付けした具を詰めていきます。これは、ボーズと呼ばれるモンゴル風蒸し餃子です。餃子を蒸している間に、ヨーグルトウォッカやアイラグ(発酵した馬乳)が提供されます。アイラグはすっきりとした味わいで酸味のある後味が特徴です。ふわふわでお肉たっぷりのボーズとの相性は抜群です。

餃子で満腹になったら、ゴツゴツとした山と荒野に囲まれて建っているゴルヒ テレルジ修道院(Gorkhi-Terelj monastery)まで軽めのハイキングをして、体を動かしましょう。道は急勾配ですがそんなにきつい道のりではありません。道沿いには仏教の教えが書かれたポスターが点在しています。修道院のひんやりとした薄暗い建物に入ったら、ゆっくりとペースを落とし、深呼吸をして、心を静かに落ち着かせてみましょう。

瞑想を終えたらロッジに戻りましょう。スタッフがモンゴル式のお茶会とダンスの準備をして待っています。塩ミルクティーは、沸騰させた牛乳と水、お茶を混ぜ合わせ、長い弧を描くようにその混ぜ合わせたドリンクを注ぎ入れることで空気を含ませて作ります。お茶会は、スピーカーから流れる音楽とロッジのスタッフが躍るダンスで優雅に演出され、ロッジのメインダイニングに座っていることを忘れてしまいそうです。

その日の締めくくりは、地元産の肉や滋味深いシチュー、香ばしくローストされた野菜を、キャンドルの柔らかな灯りに包まれて味わうシンプルなディナーを。早めにベッドへ向かう前に、ぜひ外に出て空を見上げてみてください。きっと満天の星が夜空を覆い、息をのむような光景が広がっているはずです。

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3日目

乗馬、芸術、音楽

テレルジ国立公園(Terelj Hills Park)の草原を馬に乗って歩く3人。
馬に乗ってモンゴルの野生生物を観察してみましょう。写真提供:Eric Rubens

朝日に包まれながら焼きたてのパンとスクランブルエッグの朝食を楽しんだ後は、テレルジ国立公園(Terelj Hills Park)で半日の乗馬体験に出かけましょう。馬とともに生活する遊牧民の家族が、たくましいモンゴル馬に乗って草原を案内してくれます。馬に乗って急流の川を渡り、松の木々を抜け、野花や放牧されているヤクが見られる広大な谷へ。顔にあたるひんやりとした爽やかな空気を感じてください。あぶみに足を深く入れ込む必要はありません。この馬たちは自分の役割を理解しており、突然走り出すことはないため安心してください。

ウランバートルへ戻る前に、もうひとつここで体験しておきたいことがあります。カザフ民族の女性イーグルハンターによる特別な体験です。堂々とした鷹と女性ハンターとの絆は深い敬意と信頼に基づくものであり、何世紀にもわたって受け継がれてきた狩猟の伝統を感じさせてくれます。その光景は心を打つものがあります。

ラッシュアワーの渋滞を避けるため、昼頃には街へ戻りましょう。洗練されたセントラルタワー内にある韓国料理店Biwonで遅めの昼食を楽しみましょう。韓国の文化はウランバートルでとても人気があり、伝統的な韓国料理にモンゴルの風味を加えた料理をよく見かけます。ここでは、モンゴル産の牛肉を使用した韓国の辛くて美味しいスープを味わってください。モンゴルと韓国、2つの文化の融合の味です。

モンゴルは、宗教と遊牧の伝統に影響を受けた豊かな文化に恵まれています。ザナバザル美術館(Zanabazar Museum of Fine Arts)でその真髄に触れてみましょう。この美術館は、17世紀の芸術家であり僧侶でもあった、多彩な才能を持っていたザナバザルにちなんで名付けられました。まるで静かな宝石のような施設で、ブロンズ像や繊細な絵画、仏教図像などが展示されています。ここでは、壮大な物語を超えた幾重にも折り重なったモンゴルの芸術の奥深さを知り、その世界にじっくりと浸ることができます。

モンゴル文化の旅の締めくくりには、伝統音楽のコンサートをおすすめします。モンゴル国立交響楽団(Mongolian State Philharmonic)や小さな劇場などで頻繁に開催されています。モリンホール(馬頭琴)の豊かな音色と、喉歌(ホーミー)は、他では見られない独特な演奏です。大地と魂に寄り添うその旋律は、聴く者の心に深く染みわたります。短い公演でも、まるで別世界に誘われるような体験ができるでしょう。

最後の夕食は、地元で人気のBull Hot Potです。ここではテーブルに運ばれる熱々の鍋で、肉やキノコ、麺を自分で煮込むスタイルを楽しめます。ラムやビーフ、野草、豆腐、手作りの餃子など、モンゴルの豊かな食文化を感じさせる食材が揃っています。

ウランバートルを包み込む夕日の空中写真。
ウランバートルの最終日は、栄養満点の鍋で締めくくりましょう。写真提供:Eric Rubens

ホテルへの帰り道、再び空を見上げてみると、昨夜に見た輝く星たちはウランバートルの都会の夜景に隠れ、見えなくなってしまったと思うかもしれません。しかし、地球最古の文明のひとつを訪れ、ウランバートルで過ごした「Three Perfect Days」は、きっと心に残り続けるでしょう。

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